危険な愛に侵されて。



「あいつが生まれて来なければ私は今も俊二さんとふたり、幸せに暮らせていたの。

あいつは俊二さんを奪った。俊二さんに似ていたらまだしも、私に似て……より憎くなった。

そんなやつが今も生きてるの!
だからこそ消したいのよ!」


「……っ」



何、その無茶苦茶な理由。
どれほど俊二さんが好きなのかは伝わったけれど。

それで涼雅に恐怖を植え付けていい理由にはならない。


なぜ子供を作らないようしなかったのか。
ちゃんと俊二さんにその意思を伝えたのか。



何の罪のない涼雅のことを、京子さんは生まれてきただけで“許せない”というの?

自分に似ているだけで、“憎い”と思うの?


心を乱している京子さんがなんともダサくて。
小さく思えて。

どうしてこんな人に、こんな人たちに。
涼雅が───



「そんな考え方しかできないから、俊二さんも呆れてあなたから離れたんですね。悔いてましたよ。

どうして涼雅を救ってやれなかったんだって」



これを言えば絶対に乱すと思った。
冷静に見えて彼女は熱くなりやすいと。


「……っ、黙れ」
「京子さん、落ち着け」

「黙れ、黙れ!」


案の定、京子さんは感情的になり。
突然私の首を絞めてきた。

< 359 / 370 >

この作品をシェア

pagetop