危険な愛に侵されて。



「ぐっ……」

思わず苦しい声を上げてしまうけれど。
やっぱり抵抗はしないと決めた。


「黙れ、お前に何がわかるの…私がどれだけ俊二さんを……!」

好きだから、周りは傷つけていい?
死ぬ思いをさせていい?

好きだからなんでも許されるの?


違う、許されるわけがない。
自分勝手な人。



だんだん苦しくなり、息ができなくなる中。

心だけは強い意思を持つ。


私はどうしても彼女と分かり合えない。
彼女の気持ちが微塵もわからない。

理解できない。



ああ、苦しい。
胸が苦しいよ。

過去のことをひとつも反省しておらず、両親を殺したことに対してもなんとも思っていない。


そんな彼女が私を殺すなんて簡単なことだろう。
どうか、痛い目に遭って。

過ちを犯した分、ちゃんと制裁を。


だんだんと意識が遠のいていく中、何度も心の中で唱えれば───



「……っ、静音!」

遠くで涼雅の声が聞こえたような気がした。

< 360 / 370 >

この作品をシェア

pagetop