危険な愛に侵されて。
「う……ゲホッ」
涼雅の声が聞こえるなり、首を絞める手が離されて。
酸素を求め、息が荒れる。
「やっときた」
ゾッとするほど、狂気に満ちた表情。
ダメだ。
涼雅に恨みを込められている。
「……動くな」
すると京子さんが動くより先に、秋崎さんが銃口を涼雅に向けた。
「来てすぐこれとか」
「お前を殺すために用意した会場のようなもんだ。
ここで雪夜涼雅、お前は死ぬ」
酸素が足りるようになってくると、今度は涼雅のことが心配になり。
顔を上げて視界に捉えるけれど───
涼雅は笑っていた。
それも、吹っ切れたような笑み。
だからこそ怖くてゾクリとした。
「もしかしてお前、勝つつもりか?」
少し異変に思ったのだろう、秋崎さんが質問する。
もちろん涼雅は首を横に振って。
「んなわけねぇだろ。
きっと外で待機してる奴らもいるだろうし」
「当然だ。ここでお前が勝とうと、外の奴らに殺されるだけ」
「仲間を呼べば静音が殺される。
なら残す選択はひとつしかねぇだろ」
涼雅はブレザーの胸ポケットをいじったかと思うと、そこから拳銃を取り出し。
それを地面へと放り出した。