危険な愛に侵されて。



「う……ゲホッ」

涼雅の声が聞こえるなり、首を絞める手が離されて。
酸素を求め、息が荒れる。



「やっときた」

ゾッとするほど、狂気に満ちた表情。
ダメだ。

涼雅に恨みを込められている。


「……動くな」

すると京子さんが動くより先に、秋崎さんが銃口を涼雅に向けた。



「来てすぐこれとか」

「お前を殺すために用意した会場のようなもんだ。
ここで雪夜涼雅、お前は死ぬ」


酸素が足りるようになってくると、今度は涼雅のことが心配になり。

顔を上げて視界に捉えるけれど───



涼雅は笑っていた。
それも、吹っ切れたような笑み。

だからこそ怖くてゾクリとした。


「もしかしてお前、勝つつもりか?」

少し異変に思ったのだろう、秋崎さんが質問する。
もちろん涼雅は首を横に振って。



「んなわけねぇだろ。
きっと外で待機してる奴らもいるだろうし」

「当然だ。ここでお前が勝とうと、外の奴らに殺されるだけ」


「仲間を呼べば静音が殺される。
なら残す選択はひとつしかねぇだろ」


涼雅はブレザーの胸ポケットをいじったかと思うと、そこから拳銃を取り出し。

それを地面へと放り出した。

< 361 / 370 >

この作品をシェア

pagetop