危険な愛に侵されて。
何度も首を横に振り、涙を流しながら涼雅の名前を呼ぶけれど。
ついに彼は銃口の目の前まで来てしまった。
「だったら尚更、この場でお前を殺さないとな」
「一発で殺してくれるのか?それは優しいな」
「……随分と余裕のある口だ」
涙で視界が歪む。
どうして私は何もできないの。
無力だ、こんな私がいなくなればいい。
涼雅が消えるくらいなら私は───
「“好きな女”のために死ねるなんて、最高の理由だからな」
「……っ、涼雅!」
嬉しそうに笑って。
少なくとも今の涼雅の笑顔に、3人ともゾクっとしたことだろう。
こんな“好き”という言われ方は嫌だ。
どうせなら生きて、私に迫りながら好きと言ってよ。
ちゃんと私を見て伝えてよ。
「気持ち悪い、あんたなんて早く消えればいいのよ…!」
その京子さんの言葉を合図に───
一発の乾いた銃声が響いた。