危険な愛に侵されて。



“元殺し屋”


つまり、もしかして宮木さんは───



「……っ、てめぇ宮木…!
何でお前が神田組に」

「これはこれは、秋崎さんではないですか。あの時はどうも。秋崎さんと出会ったおかげで、私は狂気に出会えたのです」


うっとりと神田と涼雅を交互に見つめる宮木さん。
彼が一番“狂気”だと私は思ったけれど。

確かにそのような宮木さんを従える神田のほうがすごいのかもしれない。


「ガキに対して何言ってんだ、裏切り者め」

珍しく乱れた感情を露わにする秋崎さんに対し、宮木さんは小さな笑みを漏らすだけ。



「ああ、可哀想な人だ。おふたりの強さに見惚れないなんて、秋崎さんはやはり弱い。

私は強い人に従いたいと思う習性があるもので。
それに───」


ナイフを畳み、上着の内ポケットに直す宮木さんは。


「神田組を裏切りったのはそちらでしょう?私はあなたの依頼を受け、殺しに失敗し、おふたりに仕えたまでです」


目を細めて笑い、ようやく決着がついたようだ。

< 366 / 370 >

この作品をシェア

pagetop