15年目の小さな試練
「トップで入学してきた人は、さすがに違うわね」
頬に手を当て、ため息のようにふうと息を吐きながら言われたその言葉に、初めて経営学部の中で、自分が内部進学組のトップらしいと知った。
だけど、所詮わたしたち内部進学組はいわゆる大学受験はしていなから、実力では外部から入った人たちにはまったく敵わないと思う。だから、その言葉をどう受けとったら良いのか分からなくて、正直困った。
だけど、先生が続けて、
「期待してるわよ。これからも頑張ってね」
と笑顔を見せてくれたから、わたしも「はい、頑張ります」と笑顔を返した。
「さすがね、牧村さん」
何度目かの課題を提出した後、わたしの書いた解答に目を通しながら、ため息交じりに言われた言葉は、誉め言葉だったのだろうか?
「あなたに解けない問題なんて、ないのかも知れないけど」
次の課題を手渡しながら、先生は眉根をひそめてそう言った。
だけど、すぐに笑顔を浮かべて、
「ふふ。でも、これは手ごわいわよ」
と、親し気にわたしの肩を叩いたから、先生の言葉の奥に隠されているのかも知れないものは、見ないことにした。
頬に手を当て、ため息のようにふうと息を吐きながら言われたその言葉に、初めて経営学部の中で、自分が内部進学組のトップらしいと知った。
だけど、所詮わたしたち内部進学組はいわゆる大学受験はしていなから、実力では外部から入った人たちにはまったく敵わないと思う。だから、その言葉をどう受けとったら良いのか分からなくて、正直困った。
だけど、先生が続けて、
「期待してるわよ。これからも頑張ってね」
と笑顔を見せてくれたから、わたしも「はい、頑張ります」と笑顔を返した。
「さすがね、牧村さん」
何度目かの課題を提出した後、わたしの書いた解答に目を通しながら、ため息交じりに言われた言葉は、誉め言葉だったのだろうか?
「あなたに解けない問題なんて、ないのかも知れないけど」
次の課題を手渡しながら、先生は眉根をひそめてそう言った。
だけど、すぐに笑顔を浮かべて、
「ふふ。でも、これは手ごわいわよ」
と、親し気にわたしの肩を叩いたから、先生の言葉の奥に隠されているのかも知れないものは、見ないことにした。