ぜ、ん、ま、い、と、あ、た、し
あたしが遠慮がちに切り出すと、メンバーの視線が一斉砲火となって向けられた。

「救出……」

誰かの呟き。

「あのままでは、あまりにもヒメが……」

「無理だ」

ずっと黙っていたナオヤが口を開く。

「また同じようにあそこに飛び込むことは出来ない。無鉄砲で無謀だ。それにもう、それは以前のヒメじゃない。彼女は死んだ。俺はそれを見ていた」

何だか血を吐くような台詞だが、彼はそれを淡白に述べた。あたしは収まりが付かず言い募る。

「せめて、創手に掛け合ってみましょう。彼も話せば分かってくれます、きっと」

「話せば分かるだって? あんた創手に感化されたのか?」

「そんな、感化だなんて」

ナオヤの語感の刺々しさに、あたしもつい声を荒げる。

「素直に話し合いに応じるようなまともな奴ではない。そんな相手なら諍いはとっくに終結しているだろう」

「でも、」

「救い出したところで彼女は生き返らない」
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