キミの溺愛は甘すぎる。
「……ほどほどにって、俺言わなかったっけ」
ひとり悩んでいると、また優翔が口を開いて。
怒る前兆だということはなんとなく感じられた。
嫉妬でどうなるかわからないって言っていたけれど……もし本当だとしたら怖い。
朝の車内でも優翔に好き勝手やられたのだ。
私が優翔に敵うわけがないのだから。
「……っ、今行く」
ここはおとなしく優翔について行くことにした。
拓哉さんから離れて優翔のそばまで行けば、嬉しそうに笑う優翔。
そして優しく手を握られ、部屋を後にした。
「やっぱ洗脳紛いなことされてるだろ、絶対。
さっきの脅しもいいとこだぜ」
「ごめんね、さすがにやりすぎていたら俺も止めに入るよ」
「まあ鈴華も優翔が好きなんだから今はいいけど……あーなんでよりによって拓哉より危険なやつ好きになるかな」
そのため、私たちがいなくなった居間で話が盛り上がっていることを知る由がなかった。