キミの溺愛は甘すぎる。
「俺のために大人になろうとしてくれたの?」
「……違う、拓哉さんのため」
バカな自分。
素直に一度、頷けば良いものの。
「ふーん、そっか。じゃあ俺も鈴華みたいな子じゃなくて、かわいくて素直な女の子のためにもっと優しくならないと…」
「だ、ダメ!絶対!」
思わずパッと顔を上げてしまう。
嫌だ、そんなの。
どうしてわざわざ“私”みたいな子じゃない女の子って言うんだ。
焦る私に対し、優翔はにこにこ笑っていて。
「どうして?俺だってかわいくて素直な女の子を彼女にしたいなぁって」
「そんなの、素直な子は優翔に遊ばれるからダメ…!その子が可哀想!」
私でさえこんなにも遊ばれてるというのに。
けれど、他の女の子にも同じように意地悪をする優翔を想像したら、胸がぎゅっと苦しくなってたまらなくなる。