キミの溺愛は甘すぎる。

「えー、じゃあ俺は誰のために大人になれば良いの？」

「……っ、そんなの…わ、私のためでいいでしょ？」


恥ずかしい。

さっきのは嘘だと優翔にバレているため、素直に認めれば良いものの。


それができなくてこんな言い方になってしまった。


「そっか、鈴華のためか。
そうしたら鈴華は俺のほうを見てくれるの？

父さんのために大人になろうとしてるのに？」


「……意地悪」


いちいち私が言ったことをリピートしてきて。
そんなの嘘だってわかっているくせに。


「ちゃんと言わないとわからないよ、鈴華」
「そんなの…恥ずかしくて言えない」


素直になりたいと思っているのになれなくて。
恥ずかしさに負け、いつも反対のことを言ってしまう。