キミの溺愛は甘すぎる。



少し気になったけれど、とりあえず先生のいる準備室に行き、ノートを渡す。

それからやっぱりあのままでは風邪をひくのではないかと思い、私は中庭に出ることにした。


芝生の道を通ってベンチへと向かえば、山城先輩が気持ちよさそうにスヤスヤと眠っていて。



「……山城先輩、風邪ひきますよ?」


念のため声をかけてみるけれど、もちろん起きるはずがなく。

ピクリとも動かないため、どうしようか悩んでしまう。


無理に起こしても申し訳ないし、肌寒いこの時期にここで寝ている先輩をスルーするわけにもいかない。

せめて保健室で寝て欲しいなと思ったところで、ふとある考えが頭に浮かんだ。


寒くないように何かを被せればいいのだ。

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