キミの溺愛は甘すぎる。




「あ、ありがとう…!」
「どういたしまして。また明日」

みっちゃんは綺麗な笑みを浮かべたかと思うと、教室を後にした。


すごい優しい友達を持ったなぁとしみじみ思いながら、カイロをぎゅっと握る。

そして私も帰る準備を済ませ、優翔のほうに視線を向けようとしたその時。


「きゃあっ!?」
「え、え、どうして…!」


何やら教室のドア付近から女子の黄色い悲鳴が聞こえてきた。

さすがの私も思わずドアのほうへと視線を向けてしまう。


すると───


「雪夜鈴華って、ここの教室?」

眉をひそめながら女子に質問する山城先輩の姿が目に入った。


クラスの女子は初めて近くで見る山城先輩に頬を赤らめ、質問に答える様子はない。

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