キミの溺愛は甘すぎる。
「だからとにかく悪かったな」
「別に謝る必要ないですよ」
「いや、絶対に雪夜寒かっただろ。
だからこれお詫びの品」
そう言って渡されたのは、缶に入ったホットココア。
この時期になると自販機で温かい飲み物も売られるようになるのだ。
「えっ…もらっていいんですか?」
「あげるために買ってきた」
律儀な人。
ただブレザーをかけただけなのに。
逆に気を遣わせてしまって申し訳ない。
「なんかすみません…」
「なんで雪夜が謝るんだよ」
意味がわからない、とでも言いたげな顔をされる。
一瞬受け取るかためらってしまったけれど、ここで受け取らないのもどうかと思いありがたくココアをもらうことにした。