キミの溺愛は甘すぎる。
すると話が終わったのか、ようやく車が発進した。
学校から歩いて行ける距離にあるため、すぐに着くだろうと思いながら窓の外を眺めていた私。
その時にふと山城先輩からもらったココアを思い出した。
鞄からそれを取り出せば、もうだいぶ冷めていたけれど、ちょうど飲みやすそうな温度だった。
蓋を開け、熱くないか少し警戒しながら喉に通す。
甘味が強いそのココアは贅沢でとても美味しい。
「それ、さっきの先輩からもらったやつだよね」
思わず頬を緩ませていると、優翔が口を挟んできて。
「そうだよ。
優翔も飲む?甘くて美味しいよ」
てっきり優翔も飲みたいのだと思った私は、迷わず彼に差し出した。