キミの溺愛は甘すぎる。
*
体が重い、だるい。
全身が暑くて頭が痛い。
私は何もない暗闇の中をひたすら走っていて、夢だとわかっていても抜け出せない状況。
誰もいない孤独の中、寂しさだけが増していって───
「鈴華」
その時誰かが私を呼んだ気がして。
それに引き寄せられるように、私は手を伸ばした。
助けて、優翔───
「はっ、はぁっ…」
「あっ…!拓哉くん、鈴華ちゃんが起きたよ!」
目を開ければ、全身が汗でびっしょりとなっていて。
視界に映ったのは未央ちゃんの姿。
その隣には拓哉さんが立っていて、心配そうに見つめられていた。
「はぁっ、はぁ…」
息を整えてから、ゆっくりと起き上がる。
周りを見渡せば優翔はおらず、どのような状況なのかうまく飲み込めないでいた。