キミの溺愛は甘すぎる。






体が重い、だるい。
全身が暑くて頭が痛い。

私は何もない暗闇の中をひたすら走っていて、夢だとわかっていても抜け出せない状況。


誰もいない孤独の中、寂しさだけが増していって───



「鈴華」


その時誰かが私を呼んだ気がして。
それに引き寄せられるように、私は手を伸ばした。



助けて、優翔───



「はっ、はぁっ…」
「あっ…!拓哉くん、鈴華ちゃんが起きたよ!」

目を開ければ、全身が汗でびっしょりとなっていて。
視界に映ったのは未央ちゃんの姿。


その隣には拓哉さんが立っていて、心配そうに見つめられていた。


「はぁっ、はぁ…」

息を整えてから、ゆっくりと起き上がる。

周りを見渡せば優翔はおらず、どのような状況なのかうまく飲み込めないでいた。

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