キミの溺愛は甘すぎる。







学校に着いた頃には優翔のせいで疲れが溜まっており、自分の席に座るなり机に突っ伏した。


「つ、かれたぁっ…」

誰かさんのせいで。
本当に誰かさんのせいで。


私ばかりが感情を大きく左右され、無茶苦茶にかき乱される。

本当に悔しい。



「鈴華、またあんたダウンしてんの?」
「……みっちゃん」


そんな私に話しかけてきたのは、今日もばっちりメイクを決めている笹木 瑞樹(ささき みずき)。

私はあだ名で“みっちゃん”と呼んでいる。


そんな彼女は自称“ナンパ顔”で、確かにみっちゃんは綺麗だけれど少し怖さすら感じられる美女だ。

つまりこれをナンパ顔と言うらしい。
告白回数よりナンパ回数のほうが多いと言っていた。


けれど私は知っている。
彼女のすっぴんは、とてもかわいいということを。

きっと童顔を隠すためにばっちりメイクして、綺麗に見せているに違いない。

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