キミの溺愛は甘すぎる。






気まずい空気が流れていた。
特に私が何かをしたという覚えはない。

つまり相手が一方的に不機嫌なのである。


車が空いた道路を走る中、車内には何ともいえない沈黙が流れていて。

ちらっと隣に視線を向ければ、無表情で窓の外を眺める優翔の姿があった。


明らかにいつもと違う。
昨日までのテンションと違う。

一体何があったのかと聞きたいくらいだ。


今日の朝、起こされた時は機嫌よく唇をふにふに触ってきたくせに。

どうしてこうも不貞腐れているのだ。


「……優翔?」

とりあえず彼の名前を呼んでみるけれど。
反応はない。


「どうしたの?
機嫌、悪そうだけど…」


もう一度話しかけても反応を示さず。
さすがにムッとしてしまう私。

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