キミの溺愛は甘すぎる。
「本当、自分勝手な人」
せっかく人が声をかけたというのに。
何も無視することはないじゃないか。
ふいっと、そっぽ向こうとしたけれど。
隣に座る優翔に突然片手を握られたため、もう一度彼のほうを向く。
「優翔…?」
「すぐ他人になびく鈴華は悪い子だね」
低い声。
怒っているのがわかる。
その声に不安を覚え、口を開こうとした瞬間。
「わっ…!」
握られた手を引っ張られてしまい、バランスを崩してしまう。
案の定優翔のほうへ倒れ込んでしまう。
「ゆ、優……ひゃっ」
慌てて起き上がろうとしたけれど、それすら叶わず。
優翔が首筋に噛み付いてきた。
まるで私は獲物扱いのようで、少し噛み付かれた部分が痛い。