キミの溺愛は甘すぎる。



「あれ、どうして傷ついた顔するの?
俺だと嫌だ?」


違う、そうじゃない。
ふるふると首を横に振り、誤解を解こうとする。

そんな私の頬に手を添え、じっと真っ直ぐ見つめてきた優翔。



「私、は…優翔の練習台?」

恐る恐る聞く。
返答次第では立ち直れなくなりそうだ。


それでも頑張って聞いたよ、私。
たまには素直になれって言うから。

すると優翔は一瞬だけ目を見張り、すぐ笑顔に戻る。


「何言ってるの、鈴華。
どうして練習台にしないといけないの」

「だって優翔は早く結婚して、後継ぎを生まないといけないんでしょう」


神田組を守るために。
そこに恋愛感情なんて必要ない。

優翔自身も好きな女の人と付き合って、結婚するのが理想なのだろうけれど。

< 96 / 226 >

この作品をシェア

pagetop