鬼課長の魔法の義足。(11/24修正完結済み)

「ちょっと、あなたねぇ!?」

「こっちですか……?」

夏美さんは、慌てて叫んでいたが
松岡さんは、こっちを向いた。
迷わないように加藤さんが夏美さんのところまで
案内してくれた。そして前まで来る。

「夏美さん。応援ありがとうございます。
あなたの声が聞こえたとき、僕は
前に進むことが出来た。夏美さんのお陰です!」

夏美さんにお礼を伝えていた。
松岡さん頑張れ……!!
私は、心の中で応援する。

「松岡さん……そんな。
私は、ただ無我夢中で応援していただけで……」

まだモジモジとしている夏美さんに対して
クスッと笑う松岡さん。

「いいえ、あなたのお陰です。今日だけじゃない。
いつも夏美さんが応援してくれたり、こんな僕を
優しくしてくれるから前向きに頑張れた。
僕は、夏美さんが好きです。
視覚障害を持っているから、普通の男性のように
接することは出来ませんが。それでも良ければ
僕と付き合って下さい」

松岡さんは、夏美さんに告白した。
真剣な表情で……。
夏美さんは、驚いた顔をした。だが、すぐに涙を流した。

「私で良ければ……よろしくお願いします」

その告白を受け入れた。
晴れて2人は、両想いになりカップルになれた。
なんて嬉しいことだろうか。

松岡さんは、嬉しそうに微笑むと
スッと手を伸ばして夏美さんを触れようとした。
ただ、何処に居るのか見えないため戸惑う。
すると夏美さんは、松岡さんの胸に飛び込んだ。
ギュッと泣きながら抱き締めていた。

「夏美さん……」

松岡さんもギュッと抱き締め返した。
周りは、お祝いムードになる。すると篠原さんが

「こら、いつまでくっついている気だ?
そろそろ離れなさい」

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