私の中におっさん(魔王)がいる。~花野井の章~

 * * *

「……うるせえな」

 亮さんは低く唸った。
 でも、その表情はどこか照れているようでもあった。

「うるせえなって何よ!」
「うるせえから、うるせえって言ってんだろ!」

 鉄次さんと亮さんは、喚きながら互いに睨みあった。
 ケンカするほど仲がいいとは、この二人のことを言うんだなぁと、しみじみ思う。

 ここまで話を聞いていても、柚さんはとても良い人そうなのに、なんで志翔さんは彼女を憎んでいたんだろう。
 疑問の答えをくれたのは、彼だった。

「確かに、柚は太陽みたいだったね。誰にでも好かれるのは分かるよ。僕も、好きだったな。彼女の笑顔」

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