追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
準備の傍らでチラリと目線を向ければ、キラキラと輝く瞳にぶつかった。
……なんて綺麗なグリーン。美しいふたつのグリーンの宝石に、思わず目が釘付けになった。
しばらく透き通るグリーンの瞳を見つめていれば、ふと、カーゴの姿が脳裏に過ぎった。
……ふふふ。モフモフのネコちゃんに、グリーンの瞳しか共通点がない青年の姿を重ねるなんておかしいわね。
そう思い直したけれど、不思議な既視感はなかなか消える事がなかった。
「はい、召し上がれ」
私はお利口さんに待つプリンスの前に、カーゴの『いつもの』と同じプレートを差し出した。
「ガゥウウッ!」
プレートを目にした瞬間、プリンスは目をまん丸にして、嬉しそうに鳴いた。けれど、はち切れそうな勢いで尾っぽを振りながらも、何故か待ての体勢を崩さない。
「プリンス? 食べないの?」
「ガウッガウッ」
私は待ての体勢のまま、へっへっと息を弾ませるプリンスの姿にピンときた。
「あ、もしかして私に食べさせてもらうのを待っている?」
「ガァウ」
プリンスは明らかに、笑って頷いた、ように見えた。
……普通、ネコちゃんってこんなに意思疎通できるのかな?
一瞬疑問が過ぎったが、バグにより、そもそものサイズからして規格外のプリンスを「普通」に当て嵌める事に意味はないように感じた。