追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
「よし、私が食べさせてあげる! はいプリンス、あ~ん!」
「ガァウッッ」
プリンスは前回同様、私の手のひらや指はもちろん、腕から顔から必要以上にペロペロと舐めながら完食した。
「ガウガウッ」
「う~ん。なにこのモフモフ天国。この幸せを知ってしまったら、もう引き返せない」
プリンスは食べ終わった後も、私を自分のモフモフの懐に抱き入れて、たまにペロペロと頬やら耳やらを舐め上げながら甘えてきた。
「ねぇプリンス、私もうプリンスがいないと駄目だよ」
私が夢心地にモフモフの毛皮に顔を埋めて呟けば、プリンスがピクンッと体を跳ねさせた。
おずおずと首を持ち上げると、プリンスは真摯なグリーンの双眸で私を見下ろした。
「あなたの一生、私が責任を持って面倒見るわ。美味しいスイーツもいくらだって食べさせてあげる。だからずっと私と一緒にいてね?」
私が口にした瞬間、プリンスの真っ白な体毛がブワワッと立ち上がり、モフモフ度が数倍に増す。同時にモフモフの毛の奥が、カッカと熱を帯びて火照る。
「ガウガウ、ガウゥゥッッ!」
えっ?と思った時には、私はプリンスに万力のような力で締め上げられていた。
プリンスは必死に何事か嘶きながら、モフモフの万力で私を圧死に追い込む。
……あぁ、意識が遠のく。だけど天国のようなモフモフに埋もれて死ねるなら、これがある意味、本当の天国なのでは……?