追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました





 私がお店を引き継いで、一カ月が経った。ここまで大きなトラブルもなく、営業はとても順調だった。
 そう、今この瞬間までは……。
「そんな!?」
 私は受け取った一箱だけの木箱を握り締め、衝撃に震えていた。
 店では毎日、マルゴーさんの農園から一番品質のいいAランクの苺二箱の納品を受けている。だけど今朝、マルゴーさんから手渡されたのは一箱だけだ。
「今日は一箱だけで、明日からは納品自体が出来ないって、そんなの困ります……!」
 しかもマルゴーさんは、あろう事か明日からの納品ができないと言う。
「そう言われても、こっちも都合ってものがある。そもそもシーラさんは当初、今シーズンは卸さなくていいと言っていたんだ。それをどうしてもって事で回していたけれど、やはり限界なんだよ」
「だけど、経緯はどうあれ、営業再開の相談をした時は融通してくれると、そうおっしゃってくれたじゃないですか?」
「ああ、出来るだけやってみようとそう言ったよ。だが、出来るだけやってみた結果、やはり納品が難しいんだ」
 ……そんな。たしかに、直前になって我儘を言った自覚はあった。一度はいらないと言ったものを、収穫期に入ってから、やはり欲しいと頼み込んだのはこちらだ。

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