追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました

 その場にへなへなと頽れる私に、シーラさんは慌てた様子で呼びかけた。
「しっかりして。まずはここに腰掛けて、私になにがあったのか教えてちょうだい」
「実はさっき、マルゴーさんがやって来て――」
 シーラさんに促されて腰を下ろすと、私は掻いつまんで先ほどのマルゴーさんとのやり取りを説明した。シーラさんは特に動揺した様子も見せず、私の話に静かに耳を傾けていた。
「よく分かったわ。ひとまず今日の営業は、ある分だけでこなしましょう。一番人気のストロベリーパイは外せないから、それとワッフル、あとは各種ドリンクとアイスクリーム、シャーベットだけに提供品を絞って営業しましょう」
「は、はい!」
 全て聞き終えたシーラさんは、私に的確な助言を残し、スッと席を立ちあがった。
「私はこれからジェームズのところに行ってくるわね」
「え? ジェームズさんのところですか?」
「ジェームズの農園で、都合がつかないか聞いてみるわ。Aランクは難しくても、ジェームズなら、Bランクの苺の都合をつけてくれると思うわ。Bランクは粒こそ小さくなるけれど味は落ちないから」
 言うが早いか、シーラさんは扉に向かって行ってしまう。

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