追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
うちよりも好条件で、本来うちに回るはずの苺を買い占める。この可能性は私も考えていたが、だからといって、これ以上マルゴーさんを糾弾してみたところで、取引の停止は覆らないだろう。
「たとえそうだとしても、取引停止を言い渡された以上、もうやりようが……」
――カラン、カラン。
その時、店内に来訪を報せるベルが鳴る。
「アイリーン、今しがたジェームズが来てくれたの。それで、詳しい事が分かったわ」
「シーラさん!」
扉から現れたのはシーラさんで、シーラさんが店を訪れるのは、朝から数えてこれが三回目だった。
朝一番でジェームズさんのところを訪ねたシーラさんは、昼前には戻ってきて、明日以降ジェームズさんの農園からBランクの苺が納品されると私に報告をしてくれた。
その際、ジェームズさんが今回の一件について調べてくれていると語っていたのだが、どうやら早々に進展があったようだ。
「その話、俺にも詳しく聞かせてくれ」
カーゴは高さのあるカウンター席を立つと、近くのテーブル席の椅子を引く。そこにシーラさんを座らせると、自分もその隣の席に腰を下ろした。
私も慌てて二人の向かいに腰を下ろした。
「カーゴも事情を知っているなら話が早いわ。端的に言うと、今回の一件は、王都の有力貴族によるマイベリー村産苺の買い占めが原因みたい。主だった農園に、交渉人と名乗る人物がやって来ているわ」