追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
ここで、これまで私たちの会話に静かに耳を傾けていたカーゴが声を上げた。
「え?」
私とシーラさんは揃ってカーゴに視線を向けた。
「おそらく、マルゴーという人物がAランクの納品に好条件をチラつかされたのは間違いないだろう。だが、それを受けるに至ったのは、金銭以上のなにかがあるのかもしれん」
「金銭以上のなにかって?」
「いや、それが分かれば苦労はない」
カーゴの見解を聞いたシーラさんは、ぴたりと口を閉ざし、なにか考え込んでいるようだった。
「あの、シーラさん? どうかしましたか?」
「……王都の有力貴族なら、多方面に顔が利くわよね?」
「ああ。程度にもよるが、高位貴族ともなれば、王家とのパイプはもちろん、あらゆる方面に顔は広い」
シーラさんの問いには、カーゴが答えた。
「今回の一件と繋がってくるかは分からないけど、マルゴーさんのところには長く気管支を患っている娘さんがいたはずよ」
「あ! カエラちゃんですよね!? たしかに彼女自身も、ゼーゼーという表現をしていました!」
「……なるほど。昨今、貴族たちの間では、各所への研究開発投資が一種のステイタスになっている。当然医療分野にも投資等で通じている者は多い。その者らなら、新薬等の優先入手も容易だ」