追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
「ジェームズは今ある村の取引先を大事にするそうよ。それに、うちにも苺を卸す事になって、もう他に卸すゆとりはないそうよ」
シーラさんはここでフッと仰ぐように宙を見た。
「ジェームズってね、昔から良くも悪くも野心がないのよ。今ある現状をよしとして、彼は変化を望まない……」
私には、シーラさんのこの言葉の真意は、今回の一件とは別のところにあるような、そんな気がした。
「どちらにせよ、村の状況は苺農業組合に任せましょう。そうして私たちは、この店の営業の事を考えましょう。明日以降はジェームズのところの苺で賄えるけれど、苺のランクを落とす分は、きちんと値段に反映させた方がいいわ。一品あたり、50~100エーン程度の値下げを一緒に検討しましょう」
「はい!」
シーラさんの言葉を受けて、私はさっそく各テーブルからメニューブックを集め出した。
そうしてシーラさんと二人、ああでもないこうでもないと協議して、値下げ幅を決めていった。
その間、カーゴはカウンター席に戻り、物言わぬまま一人静かに考え込んでいた。