追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました

「俺はリリアーナに、お前の店を営業休止に追い込んだと告げた。リリアーナはとても喜んで、俺を取り巻きからボーイフレンドに格上げすると約束してくれた。俺は歓喜したさ! なのにどうしてお前はまだ営業している!? 他の取り巻きからその報告を受けた時、俺がどんな思いだったかお前に分かるか!? リリアーナが俺に向けた、侮蔑の篭った目がどんなに堪えたか、お前には分からないだろう!?」
 ……そんなのは、分かるわけがない。
 だって、それは完全に逆恨みだ。しかもエヴァンの訴えは、他にも突っ込みどころが満載だった。
 けれど一番の問題は、当のエヴァンが私への怨嗟を募らせて我を失いかけているこの状況だ。エヴァンは悪鬼の如く歪んだ顔をして、怒りに全身を震わせていた。
「エヴァン、聞いて? まず、この状況を冷静に考えてちょうだい。リリアーナのために、今回あなたは相当に尽力したようね。だけど、聞かせてもらうとリリアーナは一切身を痛めず、あなたばかりが危険な橋を渡っているわ」
「なんだと!?」
 この状況で選択を間違えば、すっかり怒りに支配されたエヴァンになにをされるか分からない。私は慎重に言葉を選びながら、なんとか説得を試みた。
「リリアーナはあなたの事を体よく利用して――」
「黙れっ! リリアーナの事を悪く言うな!!」
 エヴァンは私の言葉を遮って叫び、私に向かって一直線に飛び掛かった。
 っ! 私の馬鹿っ! 私の試みた説得は、逆にエヴァンを激昂させる結果となった。

< 130 / 205 >

この作品をシェア

pagetop