追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました

 だけど、ゲーム内でもそうだった。……エヴァンの自己評価は低いのだ。
「ねぇエヴァン、あなたはもっと自分に自信を持っていいわ。だって、あなたは男性として魅力的だもの。ちなみにね、女子生徒たちもちゃんと分かっているわよ」
「え?」
 エヴァンはキョトンとした様子で私を見上げた。
 私は必死になって、「エヴァン推し」のプレイヤーが熱く語っていたイベントを思い出しながら続ける。
「課外学習の時、あなたは急な階段を上れずに困っていた老爺を負ぶって運んだでしょう? あなたの優しさに、陰ながら女子生徒は沸き立ったわ。それから強風で学園のグラウンドが汚れてしまった時も、一早く気付いたあなたは一人で整備をし始めた。あなたの奉仕精神に、女子生徒は唸ったわよ。あなたのぶっきらぼうな態度の奥にある優しい心に、皆ちゃんと気付いている。だからもっと自信を持って?」
 私の励ましに、エヴァンは三白眼の目を大きく見張り、強い眼差しを向けた。その頬が赤く染まっているのに気付いたが、プリンスのパンチを受けたのだからそれも道理だった。
「そうそう! 話は変わるんだけど、あなた私と取引をしない?」
 何故か目を見開いたまま岩と化したエヴァンに、私は新たな話題を切り出す。
「え、取引?」
 するとエヴァンはハッとした様子で石化を解き、小首を傾げて問い返した。

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