追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
恋愛シュミレーションゲームにHPの概念はないはずなのに、私のHPはガリガリと削られて点滅を繰り返す。
意識も一瞬、吹っ飛ぶ。
『よく教えてくれましたね、リリアーナ。あなたが心を痛める必要はありませんよ。あなたの取った行動は、人として実に真っ当です』
しかし、一瞬の思考停止がアダとなる。
『アイリーン、あなたにはガッカリしました。泥棒行為をした上に、友の助言まで無視をして知らぬ存ぜぬをつき通そうなど、よくお天道様の下を歩けたものです。本来なら罰として歩いて帰ってもらうところですが、今日のあなたはお腹を壊していますからそうもいきません。寮に帰ったら自らの行いを大いに反省し、神様に謝罪をしなさい!』
ハッと気づいた時には、私は勝手に人様のものに手を付けた泥棒になっていた。しかも報告の約束を踏み倒した嘘つきで、かつ腹下しというおまけまで白日の下に晒された! この屈辱たるや……うん、安定のシナリオ通りだ!!
――意識が今へと舞い戻る。
あの一件により、ゲームのシナリオ通りにリリアーナはクラス内の天使となり、私には「腹下しの泥棒」という不名誉なあだ名がついた。しかしこれはまだ、ほんの序章に過ぎない。
その後も、私はますますヒートアップするリリアーナの策略にまんまと嵌められる形で、髪飾り泥棒に、階段からの突き落とし等々、着々と「悪役令嬢」としての地位を築いていった……。