追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
「相変わらず察しが良いな」
カーゴはそう言って苦笑を浮かべた。
どうやら私の予想に反し、この場は一旦解散となるらしい。けれど私には、阿吽の呼吸で事を進めていく二人の意図が分からなかった。
「あんたたち、どうするつもりだ? 儂としても場所を取るその三人を引き取ってくれるのは有難いが、自警団に引き渡さないのかね?」
すると、ジェームズさんが私と同様の疑問を口にした。
「あなたにお願いがあります」
カーゴはジェームズさんの前まで進み出ると、改まった様子で切り出した。
「急にどうした?」
「実は俺たちは、犯行を指示した黒幕の女と二ヵ月前まで同じ学園に通っていました。そうしてここに居るアイリーンは、その女の策略によって退学にまで追い込まれています」
「そうか。訳ありとは思っとったが、この村に来るのにそんな経緯があったのか……」
ジェームズさんは私に労し気な目を向けた。
「学園では彼女の意向を汲み、女の悪事を公表する事はしませんでした。ですが今回は、これまで女が犯してきた悪行の全てを公表し、制裁を受けさせたいと考えています。あなたの農園への犯行も、その決着を自警団ではなく俺に任せていただけませんか?」