追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
「そういう事なら構わんよ。だけどあんた、最初に『力になってやってくれ』と言ってきた時にも思ったが、若いのに随分な行動力だ。強気な発言にしてもそうだな。その自信は、どこぞかに強力な伝手でも持っているのか?」
力になって? ……なんだろう?
ジェームズさんの前半の台詞は、よく分からなかった。
「少なくともあの男の語った『とっておきの伝手』より強力である事は間違いありません。とにかく被害の補償等、絶対にあなたの不利益にならない事は約束します」
カーゴの肯定と力強い断定に、ジェームズさんはすっかり虚を突かれたようだった。脇で聞いていた私も、動揺は隠せなかった。
「……こりゃ、まいったな。それじゃあ儂は大人しく報告を待つ事にするよ。明日中には聞けそうかね?」
だけど疑念は、これまでにも要所要所で感じていた。その経済力、最新鋭の機器を入手する伝手、そしてカーゴが店で広げる分厚い本は帝王学の専門書だ。
……カーゴとは、果たして何者なのだろう?
「ええ、明日中には必ず。決着がつき次第、報告に来ます」
カーゴの横顔にこれまでにない風格を感じ、無意識にゴクリと喉を鳴らした。