追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
おっしゃる通りで、私はこの世界で過ごした十六年だけじゃなく、あやふやな部分はありつつも、前世の日本で生きた二十四年の記憶も持っている。
足し算すれば、私の精神年齢は四十歳。実年齢の倍以上の人生経験を持っていれば、同年代より達観もしているだろう。
「どうだろう。だけど、誰だって争いごとは嫌でしょう?」
カーゴは私の真意を探ろうとでもいうように、強い目で私を見つめていた。
「とにかく私はもう、この学園に未練はないの。これでやっと田舎でのんびり暮らせる。窮屈な寮暮らしを一年近く、よく頑張ったわ」
カーゴの瞳に悪戯っぽく微笑んで、ヒョイと肩を竦めて告げた。
女子寮では、あてがわれた自室を一歩出れば食堂から大浴場、果てはお手洗いまで共用だ。リリアーナの底意地の悪い忍び笑いと陰湿な視線に終始晒されて過ごすのはもううんざりで、私は早くここを脱して、田舎で一人ゆっくりと羽を伸ばしたい。
「俺は正直、予想もしていなかった君の発言に驚いている。……だが、君に学園に残る意思がない事はよく分かった。そうして君の心は、既に退学後の未来を向いているようだ」