追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました

 カーゴは少しの間を置いて、口を開いた。
 声にしていない私の思いまで的確に汲み取ったカーゴの言葉に、私は内心でかなり驚いていた。
「君が学園を出るなら、俺も今後を考えなおさないとな……」
「え? なぁに?」
 続くカーゴの呟きは小さくて聞こえなかった。
「いや、なんでもない。正式に処分が下ったら、すぐに俺に教えてくれ。それからこの後、俺は少しやらなければならない事が出来た。すまないが、先に行く」
 カーゴはそう言って、くるりと踵を返すと、足早に守衛門の方向に駆けて行った。この時間からの外出は許可申請も大変だ。
 どうやらカーゴは、よほど重大な用事があるようだ。
「あ! カーゴ、お大事にね!」
 慌てて掛けた私の言葉に、カーゴは右手をヒラヒラと振って応えた。やがて、その背中は見えなくなった。
 ……めっちゃ足、速い。
 カーゴが行ってしまい、私も女子寮に向けて歩き出す。
「……だけどあれ、病弱な人の走り方?」
 数歩進んだところで、疾風の如く駆けて行ったカーゴの姿を思い返し、私は一人首を捻った。


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