追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
……え? ちょっと待って!? だって、この席はどう考えてもおかしい。前世日本に被害者参加制度はあっても、その席は間違っても裁判官の隣じゃない……!
前言は撤回で、これはむしろ法廷とは程遠い独裁場だ――!! 私は混乱覚めやらない脳内で一人叫んだ。
ちなみに、最終的な席配置はこうだった。裁判官席にカーゴ。その隣に私。
検察官席にルーク。書記官席にはまさか、宿の主が着いた。
そうして被告人席に、既に半泣きのリリアーナ。弁護人席に、苦虫を噛み潰したかのような学園長と教師たち。
証言台には破壊行為を行った生徒たちが真っ青な顔をして立ち並ぶ。その手には皆、メモ書きや手紙等、リリアーナ指示の証拠となりうる物を握っている。
傍聴席には、生徒の親たちが着いていた。
……あ、あれ!
私は傍聴席の中央で顔を真っ赤にさせたコルトー子爵を見つけ、同時に、石ころを飛ばしながら猛スピードで駆けて行った馬車の正体に思い当たる。そうだ、あれって確かコルトー子爵家の家紋だ。リリアーナの父親であるコルトー子爵は、外交大臣を務め、表舞台で華々しく活躍をする時の人だ。妻亡き後、一人娘を慈しんで育てる子煩悩で温厚な人柄として、ゲーム内でも描かれていた。
ならばあれは、リリアーナを心配するあまり、脇目も振らずに駆けつけたという事なのだろう。
「これより審議を開始する」