追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
どちらにせよ、『桃色ワンダーランド』の圧巻のライトワークが、今のリリアーナに発動していない事は確かだった。
私には、いつもの自信満々な姿とは対極の丸い背中が、なんだか哀れに思えた。
そうこうしている内に、証人尋問で証言台に立った最後の生徒が運び出されていく。……そうなのだ。カーゴの厳しい追及を真正面から受けて、証言をした生徒らは全員が、証人尋問後に心神耗弱状態となって、宿の従業員に運び出されているのだ。
「証人として証言した生徒らは、一カ月の学外奉仕活動をもって、その罪を不問とする。ただしこれが適正になされぬ時は、証拠写真を世間に向けて公表する」
カーゴが傍聴席に向かって宣言すれば、保護者らは我が子の学外奉仕活動を誓い、与えられた温情に感涙にむせいだ。
……なんという独裁! いくら配置が法廷に似ていても、やはりここは法廷ではない。カーゴの見事な独裁を前にして、私の目は点になっていた。
「これより被告人質問に移る」
カーゴの声にリリアーナの肩が揺れる。
「レクリエーションで差し入れのジュースを飲んだのは私で、それをアイリーンのせいにした事は間違いありません」