追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
「え? ……学園の、プリンセス?」
「知らぬは本人だけ。これだもの、嫌になっちゃうわね。……入学式からずっと、男子生徒はあなたの姿にざわめいていたわ。ううん、男子生徒ばかりじゃないわ、女子生徒も羨望の眼差しを向けていた。どこか異国情緒を感じさせる暗褐色の瞳と、あどけない顔立ちとは対照的な落ち着き払った所作。あなたは文句なしに魅力的で、目立っていた。思わず私が目を付けなくちゃいけないくらいにはね」
……聞かされた内容は、即座に呑み込む事が出来なかった。
「今となっては思うんだけど、きっと私もあなたに羨望の眼差しを向けた女子生徒の一人よ。物凄く認めるのは癪だけれどね。だけど事実、気になって、目が離せなくて……。それで結局、私が取った行動はあれだった」
「……」
予想すらできないまさかの回答を前にして、私はすっかり言葉に窮した。
結局、どんなに頭を巡らせても返す言葉は見つからず、やっとの事でひとつ頷いて見せるのが精一杯だった。
「では審議に戻る」
カーゴの声が沈黙を割り、それを受けて私はしずしずと席に戻る。チラリと目線を向ければ、リリアーナは幾分しっかりとした目で正面を見据えていた。