追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
「ま、そうとも言えるか」
ルークは俺の言葉にヒョイと肩を竦めてみせた。
「それよりルーク、毎回言っているが、俺に付き合ってお前まで授業を休む事はない。授業に出てくれて構わんぞ」
髪を乾かし終え、俺が文机に移動をすれば、ルークもピッタリと俺の後ろを追ってくる。
俺が文机に腰を下ろせば、ルークも予備椅子を引いてきて斜め前に陣取った。
「なに、お前を置いて俺だけ授業に出ようなど、そんな真似が出来るか」
ルークは至極真面目な顔をして言ってみせるが、ルークの本音はそこにはない。
「ならば何故、真っ白なままの昨日の課題ノートを持っている? 俺の手元を覗き込む?」
「そりゃーお前、俺の本業は護衛だかんな。頭脳労働はからっきしだ! だからなんだ? ようはまぁ、写させてくれ!」
ルークは白い歯を見せて、人懐っこい笑み浮かべた。
「……はぁ」
要するに、ルークは課題を手つかずのままにしていて、今日の授業に出るに出られなかったというわけだ。
ただし、先のルークの言葉はその一部が正しくない。本人の言葉通り、ルークは軍事畑の出身だが、全てにおいてずば抜けて優秀だった。だから当然、頭が弱いわけもないのだが、ルークにはやる気が皆無だった。
「ほら、ただし丸写しはやめてくれ」
俺は仕方なく、書き終えた部分が見やすいように、ノートをルークに寄せてやった。
「わーってるって!」
ルークは嬉々として、俺の解いた課題を写しはじめた。俺はルークの姿に苦笑した。
とはいえ今回の留学は、俺が父上を脅すようにして半ば強引に取り付けたもので、急きょ同行を言い渡されたルークは、相当に渋っていた。勉強漬けの窮屈な学園生活に付き合わされるなど御免だと言い張るルークに、課題や試験対策のフォローを約束してなんとか丸め込んだのだ。
これらの事情もあり、俺はこと勉強面に関してはルークに弱い。