追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
「駐在大使……!」
予想だにしない駐在大使の言葉に、深い感謝の念が浮かぶ。
「なに、これは必ずしもカーゴ様のためばかりではないのです。儂は陛下と皇妃様をよう知っておりますから、カーゴ様が学園を飛び出し、所在不明のままふらふらしているなど、とても伝えられんのです。そんな報告をあげれば、皇妃様が倒れ、陛下がその看病と称して政務に穴を開ける事が目に見えておりますからな。ただし、くれぐれも現況報告だけは定期的に寄越してください」
「もちろんだ。報告はきちんと行う」
「カーゴ様、儂は昔からずっと疑ってはおらんのですよ。あなた様が獣化・人化のコントロールをマスターし、皇帝として立たれる未来を」
「ありがとう駐在大使、恩に着る。そして俺は、その未来を絶対に現実のものにしてみせる!」
朗らかに語る駐在大使に、俺は自然な流れで頭を下げ、固く誓った。
俺は幼少期から、皇位継承者が他者に安易に頭を下げるべきではないと、そう教えられてきた。しかし今は、皇位継承者としてではなく、俺個人の感謝の心を伝えるために躊躇なく頭を下げた。
「頼もしい限りですな。カダール皇国の行く末は明るい」
駐在大使も微笑んでそれに頷いた。