追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました

 私もそれに天気を告げるような気軽さで答える。当然、この答えを想定していたのだろう、向かいに腰を下ろすカーゴに驚く素振りはなかった。
『そう。それで、マイベリー村にはいつ発つんだ?』
『今、中古の馬車を手配中だから、その納入日が決まり次第……』
 淡々と重ねられた質問に答えながら、ふと、疑問に思った。
 ……あれ?
『ねぇカーゴ、私、あなたにマイベリー村に移るだなんて一言も言ってないわよね? どうして知ってるの?』
『不動産屋から連絡を受けたからだ。君が借りたマイベリー村の空き家、あれは俺が所有する物件のひとつなんだ』
 まさか、私が借りた空き家の大家がカーゴという、衝撃の事実……! 目玉が、落っこちそうになった。
 私が不動産屋を訪問し、のんびり暮らせそうないい場所はないかと切り出した瞬間、店主はここぞとばかりにマイベリー村の空き家を勧めて来た。空き家は家財備え付けで、即時入居可能。しかも今なら敷金礼金なし、事務手数料も無料と言われ、私は破格の好条件に飛びついたのだが……いやはや、世の中は狭い!
 目を丸くして唸る私を、カーゴは何故か訳知り顔で見つめていた。
『それから、俺もマイベリー村での静養を決めた。これまで体調不良を押して学園生活を送ってきたが、ここらで田舎に引っ込んでゆっくり休もうと思ってね』
『……え、カーゴもマイベリー村に行くの?』
『ああ。よかったら俺も君の馬車に同乗させてくれないか。行き先が一緒なんだ、ならばわざわざ二台の馬車を用立てる必要もないだろう』

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