追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました

 現状の理解に四苦八苦の私を余所に、カーゴはどんどんと話を進めてしまう。
『ええっと……』
 あまりにもトントン拍子に進んでいく展開に、私は少し当惑していた。
『もちろん、乗車賃はきちんと支払わせてもらう。どうだい?』
『いいわよ! 行き先も同じだし、私の手配した馬車でよかったら一緒に乗っていって!』
 しかし続く「乗車賃」の言葉に、私は一も二もなく頷いた。渡りに船とは、きっとこの事を言うに違いない!
 それというのも、退学を聞かされた両親は相当におかんむりだった。しかも私が、退学後に実家に戻るつもりはないと伝えたものだから、両親との関係はこじれにこじれた。両親としては、実家で花嫁修業をさせて、さっさと嫁に出してしまおうという腹づもりだったに違いない。
 事実上の勘当状態となり、仕送りも打ち切られてしまった今は、コツコツと貯めて来た貯蓄金だけが頼りだった。切り詰められるところは切り詰めないと、あっという間にスッカラカンになってしまう。
『助かるよ。それから、マイベリー村に供を一人伴いたいんだが、その者も同乗させていいだろうか? あぁ、もちろん乗車賃は二倍に払う』
 ……え? もう一人?
 私には突然告げられた同行者の存在よりも、別の憂慮があった。
 ……あの馬車に三人も乗れるかしら? 私の脳裏に、価格最重視で決めた年季の入った小さな幌馬車が思い浮んだ。
『……ええっと、同乗自体はかまわないけど、もしかすると相当狭くなってしまうかもしれないわ』

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