追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
「ここだな」
マイベリー村に入ってまもなく、カーゴの案内で辿り着いたのは、シックな木目調の外観が目を引く可愛らしいカフェだった。
「……すごい! なんて可愛いカフェ!」
前世の日本でいう隠れ家風カフェを地で行く、ノスタルジックな佇まい。大きく取られた窓からは白いレースのカーテン越しに、外観と同じ木目調の調度で居心地よさそうに統一された店内の様子が透けて見えた。
ここでいただくスイーツは、果たしてどれほど美味しいのだろう!? 自然と頬が緩み、期待は最高潮に高まった。
「たしかに洒落てるな! こりゃあ提供されるスイーツも楽しみだぜ!」
ニコニコ顔のルークが一歩前に進み出て、意気揚々と扉に向かう。私もまた、ニコニコとルークの背中に続く。
「……ん? って、閉まってんじゃねーか!」
すると、ドアノブを握ったルークが叫んだ。
「え?」
……あ、そういえば! こんなに可愛いカフェなのに、さっき窓から見た店内に、客の姿は一人もなかった……!
ルークの声に驚きを感じたのは一瞬で、すぐに先に見た光景の違和感に思い至った。
「そんな、まさか定休日だったなんて……」
舞い上がってしまい、すっかり状況の認識が疎かになっていたようだ。
私はしょんぼりと肩を落とした。