追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
「……定休日? いや、ここは苺の収穫時期は無休で営業していたはずだが……。おかしいな」
ところが、カーゴは「定休日」という言葉に首を傾げ、怪訝な様子で呟いた。
「そんじゃ、まだ開店してねーんじゃねーか? 苺の収穫期はこれからが本番だろう?」
「たしかに、お前の言うように本格的な収穫期はこれからだが……」
ルークの見解に、カーゴは考えるような素振りを見せる。
私もまた、違和感は拭えなかった。カフェに来る途中で見掛けたハウス内の苺は、赤く色づき始めた物が散見された。これならば、カフェも営業を開始しているだろうと思っていたのだが……。
カーゴはおもむろに入口を離れると、カフェの周囲を見回した。
「あそこが母屋かもしれん。行ってみよう」
カーゴが指差す先には、小さな木造の平家が立っていた。
「ごめんください」
「はーい、少しお待ちくださいね」
平家の玄関を叩くと、すぐに中から返事があった。
言葉通り玄関先で少し待っていると、おばあさんがやって来た。おばあさんは足が不自由なようで、よく見ると右足を引き摺るようにして歩いていた。
「ごめんなさいね、お待たせしちゃって。見ての通りちょっと足を悪くしていて、移動に時間が掛かっていけないの。ええっと、それで今日はどんなご用かしら?」
おばあさんはそう言って、柔和な笑みを浮かべた。
「突然お訪ねしてすみません。実は私たち、苺のスイーツを食べに来たんですが、お店がやっていないようで。こちらが同じ敷地内のように見えましたので、もしかしたら何かご存知じかと思いまして」
「まぁ、そうだったのね」
私の言葉におばあさんは表情を曇らせた。