追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
荷ほどきを超特急で済ませ、住居も整った翌々日、私は朝からシーラさんとお店の厨房に立っていた。
そうしてお昼前、厨房には各種スイーツの試作品が並んだ。
「シーラさん、仕上がりはどうでしょうか?」
完成したスイーツを前に、私は合格点に足りただろうかと、恐々としながらシーラさんを見上げた。
シーラさんのお宅でご馳走になったものを細部まで詳細に再現したストロベリーパイには、艶やかな苺が隙間なく並び、今日も宝石のごとき眩さだ。苺ピューレを練り込んだストロベリーパンケーキは、見た目からその柔らかな食感までもが伝わってきそうだった。
同様に苺ピューレを練り込んだ芳しい焼き色のストロベリーワッフルは、先ほど味見をしてみたら、外はカリッと中はもっちりと絶妙の焼き加減で美味しかった。
……これなら大丈夫だとは思うんだけど、……どうかな?
緊張に、ゴクリと喉を鳴らした。
「あなた、プロ顔負けの腕前じゃないの! とっても手際がいいし、なによりこの完成度の高さといったらないわ!!」
するとシーラさんが、私の緊張を吹き飛ばすように興奮気味に叫んだ。
予想外の高評価に、私はホッと胸を撫で下ろす。