追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました

「それで、営業の再開はいつからだ? じきに苺の収穫は最盛期だ、今がまさに掻き入れ時だろう」
「具体的な事はこれからなんです」
 ジェームズさんのこの質問には私が答えた。
「実は、開店準備はほとんど出来ているんですが、村内に営業再開の案内ができていなくって。ですから営業は、その告知が十分に行き届いてからになりそうです」
 私としても、開店休業の状態は望みじゃない。開店を多少後ろ倒しにしても、十分に集客が見込める状態で再開させたかった。
「そういう事なら、儂に任せろ!」
 ジェームズさんがドンッと胸を叩いた。
「儂が苺農業組合の組所で大々的に宣伝しといてやる! なに、この村のほとんどがいちご農家か、その関係者だ。明日の朝には全員に伝わる、これが一番手っ取り早い!」
 まさか、こんな宣伝の手段があるとは思ってもみなかった。
「助かります! ぜひ、お願いします!」
「それなら間違いなく、村中に広まるわね。ジェームズ、よろしく頼むわ」
 ジェームズさんの提案で、開店に向けて一気に弾みがついた。
「これで明日から開店だな! とびきり美人の店主が美味い苺のスイーツを用意して待ってるって言っておこう」

< 67 / 205 >

この作品をシェア

pagetop