追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
「ルーク……!」
カーゴのみならず、ルークまで手伝いを申し出てくれた。
「混雑が予想される。客の誘導や配膳、おおよその分担を決めておいた方がいいだろう」
「うん! ちょっと待ってて!」
カーゴの的確な助言を受けて、私は持っていたノートを取り出すと、さっそく大まかな分担表を作り始めた。
カーゴとルークも、一緒になって分担表を覗き込んだ。
「シーラよ、この店にゃ頼もしい助っ人がずいぶんといっぱいいるようだ。これなら安心して任せておける。この時間だ、足がだいぶ辛くなってきてるはずだ。儂が家まで送っていく」
すると、私たちの様子を見ていたジェームズさんが、シーラさんにそっと水を向けた。
「ほんとうに頼もしいわね。だけど足の方は大丈夫だから、気にしないでちょうだい」
シーラさんは笑顔で否定したけれど、私はジェームズさんの言葉にハッとした。
「シーラさん、お店の事は大丈夫ですから、もう自宅に戻って休まれてください。私では不安に感じる部分もあると思いますが、調理も営業の流れもだいぶ頭に入りました。だから後の事は、どうか私に任せてください」
「あなたに不安なんてあるわけがないわ。だけどそうね、明日もあるから、後は任せて帰らせてもらおうかしら」