追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました



 そうして迎えたオープン初日。
 カラッと晴れ渡った快晴の空の下、お店は朝から多くのお客様で賑わっていた。
「まぁ、ずいぶんと可愛らしい店主さんだわね。私、以前からこのお店のストロベリーパイが大好きなの。今シーズンは諦めていたんだけれど、組所でシーラさんに代わって新店主が再開するって聞いて、居ても立ってもいられなくて来ちゃったわ」
「いらっしゃいませ、さっそくのご来店ありがとうございます。シーラさんに代わってお店を営業させていただきます、アイリーンと申します。メニューは全てシーラさんから引き継がせていただきました。ですのでストロベリーパイも、シーラさんの味をそのままお楽しみいただけます」
「アイリーンさんね、頑張ってちょうだい。それじゃ、さっそくストロベリーパイをお願いするわ」
「はい!」
 ジェームズさんの宣伝が功を奏し、客足は途切れない。
「それにしたってシーラはいい人を迎えたわね。お店、とってもいい雰囲気じゃないの。味の方だってシーラに寸分も負けていないしね! 絶対にまた来させてもらうわ!」
「ありがとうございます」
「シーラにも、よろしく伝えておいて」
「はい!」
 お客様にはシーラさんのお馴染みだった方も多く、皆、店の再開をとても喜んでくれていた。
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