追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
「よっしゃー! やり切ったな!」
「今日の姿を見て、あなたにならなんの不安もなくお店をお願いできるって確信したわ。本当に立派だったわ」
「アイリーンさん、あんたはいい店主だ。今後にも期待しとるよ」
ルーク、シーラさん、ジェームズさん、皆から口々に労いの声があがる。
「皆さん、ありがとうございます。それから、今後ともよろしくお願いします!」
皆の優しさに包まれて、私は一日の疲れなど微塵も感じないくらい、とても満たされた思いだった。
するとこれまで静観していたカーゴが、そっと私に歩み寄る。
「よく勤め上げたな」
見上げれば、カーゴは柔らかに微笑んで、私の頭をポンポンっと撫でた。
ドクンと胸が大きく跳ねた。
「……カーゴ、ありがとう」
はじめての大舞台で、今日はずっと気持ちが高揚していた。だけど今、カーゴがなんの気なくしたであろう「ポンポン」が、私の胸をこれまでになく騒がせた。その後も鼓動は、ずっと速いテンポで打ち付けていた。
こうして、開店初日は皆の協力によって、大成功で幕を閉じた――。