【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

「ご褒美に飲もうぜー」


にかっと笑うナギの腕にソーダ水と書かれた飲み物が6本抱えられている。



「うっそまじ!ナギ最高!」


疲れ切った全員の顔に笑顔を一瞬で取り戻したナギは、一本ずつ配っていく。



「ハッピーバースデー胡桃」


「ひゃっ」


頬に缶をぴたっと当てられた藍田さんが肩を竦める。



「びっくりしたぁ……」と藍田さんが受け取った缶には赤いリボンが蝶々結びにされていて。


それは、誕生日プレゼント。


……え?


「今日って6月5日?」


まだ今日は4日じゃなかった?


「あーっ、灰野くんって胡桃ちゃんの誕生日覚えてるんだ!」


リホに人差し指を大きく向けられる。



「いや、それは」


覚えてるだろ普通。


一応付き合ってた……ていうか幼馴染だし。



つーか、にやにやすんな。

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